一年の中で一番の厳寒期であるのに麦わら帽子を被って剪定をしました。麦わら帽子を被っての剪定、初めてでした。一足早く春が来たような安曇野でした。
上は手を伸ばすと届く位置に実の跡があり、更に1mほど伸びて良い花芽がいっぱいついていました。もう手が届かないので枝元から切りました。せっかく伸びたのに残念ですがお客さんの手に届かなければ仕方ありませんね。下は切って枝を落としてからの写真です。すっきりしましたね。
肥料を全くやっていなくてもこの勢いよく育っています。この辺りは3年前にチップを入れたところでまったく自然のままです。いわゆる「常識」は硫安、油かすを‥‥元肥、追肥(お礼)‥‥を「常識」としています。この育ちをどう説明するのでしょうか。
ブルーベリーは硝酸態窒素よりもアンモニア態窒素が成果が出ていると言われています。これも「常識」です。科学的に酸性にした水耕栽培で試験した結果です。菌根菌植物であり菌根菌の科学的な検証はされていません。土壌の中の無機態窒素(アンモニア・硝酸)を根が吸収するという「常識」から抜け出られないと思います。だから硫安・油かすをやると思います。進化の過程でせっかくつかんだ菌根菌との共生関係という自然の成り立ちを無視した栽培方法だと思います。だから非常識だという理由です。
確かに硫安・油かすをやると育ちがよく、収穫量も上がります。ただやり出すと肥料育ちの形質になってしまいます。これは私の経験からです。無施肥でも育ちは負けません。そして一番大事な「味」がうまくありません。これも私の経験からです。見た目の良い物、たくさん収穫されることは農業の目的でしょうが、一番大事な「うまい果物」にこだわった栽培方法の追究がまったくありません。この追究がないことが「常識」となっており、これは非常識ですね。いろいろな果物を食べると栽培者、栽培方法によって味が違うことがあります。何がこんなに違うのでしょうか。
「現在のところ、おいしい理由が有機栽培によるものかどうかはまだ解明されていません」と科学者たちは言っていますが、栽培者によって何故うまい果物ができるのでしょうか。ブルーベリー栽培の奥が深いのはここにあります。
次回の「常識は非常識」は、栽培方法による作物体内の硝酸態濃度について書きたいです。