BBの情報が書籍やネットで氾濫しています。ポット栽培、地植え栽培を実践していると一般に常識となっていることに何故と思うことがいっぱいあります。それを疑うこと無く、多くの方が当たり前のように書かれたり言ったりしています。そんなことに疑問に思っていることを昨年は『常識は非常識』で紹介しました。
今年は『常識はWhy』シリーズで紹介しています。
『常識はWhy?No.8』《カミキリムシNo.2》
書籍やネットでBBは「害虫に強い」と書かれていることが多いです。ところが実際に栽培していて系統によっても品種によっても違いがあることから、《カミキリムシNo.1》で書きました。
何故、NH系だけかじってRE系はかじらないの? カミキリムシの不思議!
NH系とRE系のシュートの形成層を実際にかじって味をみたところ、ヒトには違いは分かりませんでした。ゴマダラカミキリのセンサーがそうさせたんですね。
BB栽培をしていると害虫(ゴマダラカミキリ)に対してBBを一括りにはできず、系統によって違いがあることが分かります。
今回のNo.2では、
「自然界では弱い木に虫がつき、淘汰される」と自然を語っている人や自然が云々という人から、こんな言葉をよく聞きます。これが常識のように言われています。Why?
「弱い木に虫がつく」Why?
確かにウメにびっしりとカイガラムシがついて弱っているのを見たことがあります。植えたばかりのサクラの木に虫がつくことも見ました。一面、このような見方はありますね。虫がつくから弱くなる? 弱いから虫がつく? どちらが先かは定かではありません。
ところが逆に考えると「強い木」「健康な木」には虫がつきにくいとなり、そうとも言えないと思います。
今日の剪定の中で、元気いっぱいで健康体のNH系エリザベスが見事にかじられていました。新梢の形成層が2、3㎜だけ残っても復活しようとしています。元気ですよ。
ところが充実していなく小さな花芽であったり、花芽が作れなかったりしています。
この列のシュートの一部です。短いものは切り刻んでいたのですが、長いものは時間がかかるのでチッパーで刻みます。
元気な株、勢いのあるシュートをかじっています。
「弱い木に虫がつく」とは言い切れない。
当園のBB栽培は無農薬・無施肥で菌根菌を活かした自然栽培にこだわっています。かじられたら他の枝に実をつければいいのですから、全く営業栽培には関係ありませんね。ゴマダラカミキリも当園の生態系の中の歯車の一つと考えています。
<余談①>
以前、趣味で初めてBBを植えたときに大きく育てようと肥料(市販のBBの肥料)をタップリと与えところ、アブラムシがつきました。アブラムシを食べにテントウムシもいました。翌年は、仕事が大変で手抜きで肥料をやらないとアブラムシが出ていません、テントウムシもいませんでした。
<余談②>
営業栽培をしようとBBの第1農園を作ったとき、一緒にブラックベリーを13本植えたところ4、5年したら、その近くのBBの列だけにチャドクガがいっぱいいました。ブラックベリーにチャドクガが大繁殖していました。ブラックベリーは抜いてしまいました。
それ以来、「群落の生態系」を作りたいと考えるようになりました。学生のときにもっと勉強しておけばよかったなあ、群落の生態系については別の機会に書きますね。