安曇野の丘村山ブルーベリー園 カブトムシ捕りひまわり迷路がある自然農園

長野県安曇野市にある、自然の仕組みを活かした摘み取り専門観光農園です。完全無農薬、硫黄粉や有機・化学肥料を使わず、自然栽培と品質にこだわって栽培しています。時間無制限・食べ放題で透明感のある酸と糖のバランスある人気品種のハイブッシュ系、糖が際立っているラビットアイ系の自然な味が楽しめます。農園内で自然発生したカブトムシ捕り、ひまわり迷路もご家族で楽しめる自然栽培農園です。  長野県安曇野市穂高有明7657ー1   ℡090-8326-2128  googlemap「安曇野の丘」

『常識は非常識No.1』 ブルーベリーは菌根菌植物

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 今日、剪定した当園のラビットアイ系の様子です。肥料も硫黄粉も使わず、勿論ピートモスを使わずに育てています。全く灌水せずに今年の8月の渇水期も乗り越え、いっぱい結果枝を出して元気いっぱいに育っています。以前の写真を見ていただければ北部ハイブッシュも同様に元気に育っています。育ち過ぎて暴れているほどです。

 どうしてこんなに育つのでしょうか。

 書籍、ネット等、一般的な育て方では、酸性土壌を好むから硫黄粉、ピートモスなど入れて酸性にすると多くは書かれています。これが常識になっています。お客さんの中に「育てたいけど、酸性にしなければいけないでしょう」とおっしゃっている方が何人もいました。私は、この常識は非常識であると思っています。

 ブルーベリーの原種はどういう環境で生きているか考えると分かります。北部ハイブッシュはカラマツ林の樹間の落ち葉や枯れ枝が積もっているところが優占しています。日本ではちょうどムラサキシメジが採れるような所です。樹間には降り積もった落ち葉や枯れ枝が分解されている所です。分解者が糸状菌です。木材腐朽菌のキノコです。この糸状菌がブルーベリーの根と共生関係を作ってお互いにウインウインの関係を作っています。およそ6億年前とも言われています。この菌根菌がブルーベリーの根に取り付いているから酸性にする必要もなく肥料をやる必要もないのです。東北大学の論文にもあるように水、無機塩等をブルーベリーへ、同重金属からの防御もしているとも言われ、菌根菌には糖を送っています。ネットワークを作ってお互いに支え合って生きています。

 落ち葉などの有機物が分解を始めると弱酸性になります。CN比の高い有機物で糸状菌が活性化します。酸性は必要ではありません。有機物を大量に入れることによって、結果が酸性になるのです。硫黄を使って酸性にしても北部ハイブッシュは育ちません。ピートモスは扱いやすく北米などの機械化された大規模農場でも活用されやすいですね。店頭で販売されていますので誰でも簡単に手に入りやすい有機物です。バケツで何杯も入れることで糸状菌の大好きな有機物で活性化し、共生関係にあるブルーベリーが育ちます。逆に考えると糸状菌が活性化するものなら良いわけです。木材チップ、籾殻、コーヒーかす、廃菌床、わら、まめがら、樹皮、落ち葉、これらすべて当園でやってみました。どれがいいか別の機会へ。経験ではライビットアイ系は有機物が少なくても大丈夫ですね。ラビットアイ系と北部ハイブッシュ系では別物です。それを一緒に語っていることも非常識ですね。

 これも東北大学の研究機関で、進化でツツジ<ブルーベリーの仲間>とランが最近の進化でこの共生関係を作ったと報告されていました。両方とも共生菌に頼っているのですが、頼り具合に差があります。

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 これは私が育てているコチョウランです。根を見ていただくと土も付いていません。肥料もやりません。水だけで生きています。着生ランと呼ばれ、空中へと進化が進み空中へ根を張りだしています。共生菌であるラン菌だけで生きています。

 ブルーベリーは成長を全部、菌根菌だけに頼らずにやや遊びがあるようです。8割程度は菌根菌に頼っているとも言われています。この分野の研究が全然進んでいません。予算がないのです。

 肥料など必要なく、ある書籍には硫安がいいとか、油かすがいいとか、液肥でやればいいとか、これは菌根菌が育てるということからすると非常識です。

 子どもの時から肥料‥窒素・リン酸・カリ‥微量元素  こんな言葉を耳にして育っていますので、農業というとすぐに肥料は、との問いが出ます。菌根菌植物であることから、この考え方は非常識になります。葉物、アブラナ科等は菌根菌があまりないとの報告もありますが、土壌には5000種とも7000種とも言われるほどの糸状菌がいます。まだまだ解明されていません。肥料と決別する栽培を目指しませんか。

 私は退職前、県内あちらこちらに赴任していたので、長野県内のブルーベリー園を松川村大町市白馬村松本市、昔の波田町山形村塩尻市長野市伊那市、昔の高遠、駒ヶ根市松川町‥‥岐阜県静岡県、‥‥今の木曽町、信濃町‥‥等の数十のブルーベリー園を見させていただきました。幸運にも長野県は全国で一番の栽培面積です。勉強する機会はいっぱいあり、育ちが良く、新梢の勢いが良く、元気のある園は多量のチップを活用していました。露地栽培で灌水設備が整っているのは、2カ所だけでした。ここに何か理屈があるのではないかと調べていったところ菌根菌に行き着きました。昭和40年代のこと、ブルーベリー栽培をしている方の経験値がチップに行き着きました。

 菌根菌による育ちの仕組みについては書籍にもありません。ここに栽培の常識は非常識だと思います。菌根菌の有用性を考えると、県内の農家は理屈は語らないのですが経験値はすばらしいことだと思います。北米の栽培者を見ると同様にチップの多用です。今はネットで農場も見えますね。世界中のブルーベリー栽培者(営業)はチップを多用しています。チップ(有機物)の多用が菌根菌を活性化します。菌根菌がブルーベリーを育てています。