<常識《BBは水が好き》はWhy?No.2>
趣味のBB栽培から本格的に地植えを始めて十数年、営業を始めて8年目を迎えています。書籍やネットで書かれたり、栽培者からのお話から常識として一般化していることが、実践してみて「あれ」「何故」「どうして」「違うぞ」‥‥と思うことがいっぱいあります。
<栽培を振り返って>
《BBは水が好き》は、十数年前の趣味で栽培していたころに盛んに言われていました。真に受けて趣味で育てていた地植えに毎日のように散水していたのを覚えています。
本格的にまず第1農園1反を地植えする前に長野県内のBB園を数十園を見学してきました。隣の岐阜県、愛知県のBB園も見学してきました。地植えで散水装置がある園は2ヵ所だけでした。あれれれ! 水が好きというのは‥‥そのころはネットでBB園の散水装置をUPすることが流行っていました。この頃は「水が好き」ということは、あまり言われなくなってきましたね。これも流行かな。
当園は花崗岩が風化した砂(有明砂)の地層が厚く積もった畑に客土して水田にしたところです。深耕したときの当園の断面です。夏場の渇水期には、何を作っても、安曇野の言葉で「焼ける」ところです。いわゆる水持ちの悪い農地です。これは有機物がなく荒れ地ですね。団粒構造が浅く、貧弱です。これをBBが元気になる構造にしないといけませんね。
ここへ2年生苗を定植しました。
1年が過ぎたときです。今、思うと植えたときだけの灌水ですね。
根付けば灌水は必要ありません。定植したときに根が伸びるまでの間に水があった方が定植率が上がることは確かです。これは北部ハイブッシュ系でのことで、枯れる本数が減ることは確かです。これも品種によって違いがありました。当園のラビットアイ系の定植では灌水しませんでしたが、ほとんど活着しました。
そこで常識になっている「水が好き」は考えずに、第3、4、5(北部ハイブッシュ系)農園、第6、7、8(ラビットアイ系)農園の定植のとき、一滴の水も入れていません。みんな元気に育っています。あれれれ!水が好きと言われてるのに、8月の渇水期も萎れることなく乗り切っています。何で、世に流布してることは、全く違っていますね。自分で実践し、自分の目で確かめたことが真であると思います。
先代が5反の畑にリンゴの苗を植えたとき、その年に灌水していたのを覚えています。植木屋さんが庭木を植えるときも水を入れますね。植木を定植するときに水鉢を作って植え、水をゴボゴボと入れるのは江戸時代から技法ですね。植木の品種を問わずにこのようにやると活着率を高めます。これは野菜でも樹木でも庭木でも常識ですね。活着させるには用土と水はけが大事であると思います。それとマルチですね。今考えると、菌根菌を活性化させる術があれば雨だけで十分ですね。
定植したときに活着率を高めるために水をやった方がいいわけですね。用土が悪いと活着しないので水で生きているような状態が続いて、これを好きと捉えたのでしょうか。
BBの原産地は北米で北部ハイブッシュの場合ですと降水量は日本よりもかなり少ないですね。季節的に見ても断然日本の方が多いです。それを敢えて「水がすき」と言って散水する理由がわかりません。私は、このことに疑問をもっていたのですが、あちらこちらで「水が好き」と言われていると真に受けてしまったのですね。世に流布していることを自分の目で確かめていかないといけませんね。
そんな視点で見ていくと、世の書籍やネットでは、いまだに「水が好きだから~~~」と言われていますね。真はどこにあるのでしょうか。ご自分の目と経験から判断して下さい。
『BBは水が好き』は、定植するとき水をいれると活着率を高める。根付けば雨まかせ。
趣味の今日のコチョウランです。BBと同じ菌根菌植物の代表です。まだ花を咲かせています。
BBの菌根菌と水の関係については、まだ確信をもった考えはありません。まだ探っているところで、水が多すぎると育ちが悪く、少なめの方がいい雰囲気ですね。とにかく奥が深く、ある現象を見て決めつけるのはいけませんので、とことん調べたいですね。とにかく奥が深いですね。