朝から雪、春の雪ですのでボタボタ雪、そのうちに雨となりました。今日は一日、休日。現役のときは、待ちに待った休日、今は好きな仕事？ができずに残念で、やろうとしていたことが出来ずに残念です。
常識は非常識 水脈を探せ！
当園は水田をブルーベリー農園に転換して作りました。水田は地面から30㎝くらいは粘土を客土して、水が漏れないように固くして作ります。戦後の食糧増産で畑を水田にしたところです。私が子どものころに作りました。地面から30㎝くらいのところに硬盤が見えます。写真では黒い帯になっているところです。ユンボのバケットでも重量をかけないと壊れないほど堅いです。この硬盤がある限りブルーベリーにとっては栽培が難しいですね。
ブルーベリーの根は菌根菌と共生しており、菌根菌は有機物をエサにし生息する環境は好気性ですので酸素がないと生きていけません。硬盤があると酸素が入らずに嫌気性が優先してしまい共生菌は生きていけません。そこでブルーベリーは弱り、最悪は枯れてしまいます。
硬盤がある限り、ブルーベリーの栽培が難しいのは、この理由です。畑でもトラクターで何十年も耕し化学肥料を多用しているところは、この硬盤ができて水はけが悪く、有機物を入れても直ぐには難しいですね。
ここまでは、前回の常識は非常識で書いてきたところです。
長野県内で露地ブルーベリー栽培をしている農家で灌水装置を設置しているところは大変少なく、でも良いブルーベリーを作っています。ブルーベリー栽培は水が～～だと言われていますが、これが世の常識になっていますが、当園を含めて県内の多くの栽培農家は水など撒かずに美味しい実を作っています。有機物の多用が決め手であると考えています。日本の降水量は北米の原産地より多いのですから、あえて灌水する必要がありませんね。これを精神論で語っている栽培法まで出てきてびっくりです。
８月の渇水期は、ほぼ１ヶ月間、降水がありません。当園のブルーベリーは、萎れることもなく元気に育っています。当園は造園以来、灌水していませんが、８月の渇水期はどこから水を確保しているのでしょう。
造園して以来、同じように管理し同じように育てているのですが、同品種でも場所によって育ちに差がでています。その理由を考えたとき、地下水位の違いがあるのではないかと考えました。当園は傾斜地の畑をブルドーザーで平にして水田にしたのですから表土を動かして段々になりました。同じ水田でも削った山側と盛り上げた谷側があります。そこで地下水位が地表からの差が出てしまいます。同品種で比べると山側の方が育ちが良く、谷側の方が悪いです。１ｍも差はなく数十㎝程度の差ですが、この差が原因だと考えました。
地下水位のことには、栽培法について書かれた書籍にはほとんど書かれていません。これが常識となっています。原産地の地下水位が50㎝程度であるとの記述が１冊、長野県信濃町での栽培例での記述が１件で、あとはほとんど触れてもいません。これが常識となっています。当園の栽培から、この常識は非常識であると考えた理由はここにあります。地下水がどこにあるのか、どの位置にあるのかが大事なところです。精神論で語っている方がいますが、精神論だけでこの地下水までは根を張ることは出来ませんね。菌根菌が活性化する有機物があるか、通気性がよいか（水はけがよいと水が通ったところに空気が入り込むので通気性が良くなります）がポイントとなり、根を張り地下水位まで根を伸ばしていきますね。
地下水位が低いと育ちが悪いのですから、灌水をすればいいのですね。地下水位が高いと灌水の必要がありませんね。『水やり３年』で育ちを観察して対応することだと思います。地下水位は畑を見ただけでは分かりません。山が近くにあると低いとも言われていますが、マニュアルはないようです。これは栽培してみて分かったことです。当園の谷側で育ちが悪いところをどうすればいいか、今、考えているところです。
『ブルーベリーよ、地下水脈を見つけよ』 常識は非常識の最終回
