『常識は非常識』チップは何のため?
ブルーベリー栽培で木材チップをマルチすると成績がいいことは知られています。木材チップは書籍やネットでは、蒸散を防ぎ、雑草を防ぐためと‥これが常識になっています。
蒸散を防ぎ雑草を抑制するだけでしたら、幅90㎝のフィルムを2枚広げ重ねてその間に苗を植えて、マルチしたらどうなるだろうと実際にやってみました。
硫黄やピートモスで酸性土壌にせずに、大量にCN比が高い炭素素材(コーヒーカス)を入れたところに北部ハイブッシュ系約160本の1年苗を植えて様子をみました。3年経過したところで結果は非常によかったです。(写真はありません)あまりに大きくなって移植が難しくなってくるので、第5農園を作って移植して育てています。
<チップでのマルチ>
第3農園の苗を植えているところです。ピートモスを入れず、硫黄も入れずに、勿論無施肥で、無灌水で、深耕したところへ大量のチップを入れて植えました。これが今に至って、元気に育っています。
マルチは何のためか、考えました。
蒸散を防ぐため??? 本格的に栽培を始めてから、はじめは常識を真に受けて、そうだと思ったのですが、根の様子を見ると、これは違うと思うようになりました。廃園するブルーベリー園から株を譲っていただいたときに、ユンボで掘り起こしました。北部ハイブッシュ系の根が深く張って、更に表面の浅いところを広がっている根がありました。表面の地面を這うように3mほどになっている根もありました。
これは今年移植した北部ハイブッシュ系の株の根です。写真では分かりにくいのですが地表すれすれに根がはって長いところでは2mほどです。地表すれすれに根が密集していることから、水が欲しくて根が表面に集まるのではなく、木材チップが欲しくて根が集まっていると考えました。
木材チップだけで育つこと、ピートモスだけで育つこと、籾殻に根を張り巡らすこと、コーヒーカスに根を張り巡らすこと‥‥みんなCN比が高く炭素資材です。みんな糸状菌のエサですね。菌根菌のエサがあるところに根を張ることが分かり共生関係から理にかなっています。木材チップは菌根菌のエサになるためと考え、今までの常識は非常識であると考えます。
長野県には多くの北部ハイブッシュ系を栽培している農家がたくさんあります。長年にわたり研究してきてチップ栽培が成績がよいことを経験値から導いています。菌根菌のエサとなると考えるとすっきりとしますね。