早朝に強い雨の音で目をさましました。昨日の園内の様子です。
写真の写りが悪いのですが、スパータン(Spartan)で<スパルタン>とも言われています。品種登録でこのように二つの言い方になったようです。
USDAの育成(アメリカ)で、1977年に発表。「アーリーブルー」と「系統番号US11-93」との交配種です。日本への導入は、1981年。(図鑑より)
今から十年近く前、当園に苗を植えていたときに車で道路を通っていた方が止まって声をかけてくれました。
「そんな小さなブルーベリーの苗を植えるなら、うちにある大きな木をあげるから持っていくといい」とのこと。
さっそくその方の家に行って頂くことにしました。
「昭和40年代ころ、リンゴの苗木を買った苗屋さんが畑の端に植えていったのです。それから次から次に植えてくれました。その頃はブルーベリーなんて名前も作り方も知りませんでした。食べ方も誰も知りませんでした。私は肩が痛くてもうできないのであげます。」
何ヘクタールもある大きなリンゴ農家の畑の隅にブルーベリーが何十株もありました。ユンボも貸してくれました。掘って頂くことにしました。
その中の一株を掘っていたとき、根元から品種名を書いた白いラベルが出てきました。鉛筆で書いたので消えていませんでした。「スパータン」としっかりと読み取れました。
頂いた株は「アズサ」とラベルを付けて、この一株だけは「スパータン」と付けて当園へ植えました。苗木で買って植えたスパータンは何十本も枯らしたのですが、このスパータンは何があっても枯らさないとの思いで育ててきました。今年もいい実を付けました。あのおばさんの気持ちに感謝しながら味わいました。最高のブルーベリーですね。
土壌適応性が極端に狭いので栽培は非常に難しいですね。当園のように水田から転換した畑は特に難しいです。酸と糖のバランスがよく風味も最高です。実を付けた枝は次の年には使えず、下の方の新しいシュートに花芽をつけないと樹勢が弱ってしまいます。剪定も難しいですね。奥が深いですよ。